Paris-Brest-Paris2011 gaap参戦記 其の8

 PC12MORTAGNE AU PERCHEモルターニュ・オー・ペルシュにて0:36着でしたが、ここの手前はずっと坂道で、かなりしんどくなって来てました。その到着30分前ほどに、Mailの着信音があり、気になってたのですが、登るので精一杯でたどり着いてからMailをチェックしました。

 Mailは奥様からでした!
 件名:もう少しだね!!
 本文:足、大丈夫?
    昨日、ランスの大聖堂で小桜が「おとうさんが、無事で帰ってきますように」ってお祈りしてたよ。
    セシル(奥様の友人、出発前日にパリで一緒に食事をした)たちも毎晩チェックしてるらしく、
    「ブラボー」とメールが来ました。
    では、明日!

 こんな内容でした。小桜のお祈りの一文で泣きましたね、ホント。涙が溢れてきました。辛い時間を過ごして、PCにたどり着いて、このMailですから。。。絶対、無事に帰還してやるとこのMailに誓った一瞬でした。

 PCではたけさんとか他の日本人にお会いして、ここの制限時間が1:56だから、トラブル起きた時を想定して、1時間余裕見て、1:00には出発した方が良いよとアドバイスを貰いました。ベテラン勢はこの辺りまでしっかり考えています。其の通りと思い、急いで食事を済ませて、ここで残っていたアルファ米を食して、オレンジーナで流し込んで、水を補給して、1:00過ぎに出発します。

 制限時間まで11時間。距離は140km。何とかここを乗り切れば、小桜、奥様の待つパリだと思い、ペダル踏むのも少しは元気が出ました。ここで、痛み止めも塗り直し、ロキソニンも再投入です。コースはしばらくアップダウンが続き、少し、山を越えて、後は降り基調。何とか山越えをクリアしたら完走が見えるので、頑張ります。

 登りはホントに辛かったです。深夜2:00頃で、しかも、いつの間にか街から山の方へ入り込んで、道の左右は大きな木々があり、見通しは悪く、しかも、真っ暗。こんな時に限って前走者も後ろもまばらで、遠くのテールランプがちらっと見える程度。カーブがあったり、傾斜の具合では全く前に灯りが無い状態。心細くて心細くて、怖かった。。。

 登り基調なので相変わらずペダル踏むとギィギィ音が夜の帳に響き、気が付くと、何か気配を感じます。遠くの樹や標識が何か人影の様に見えたり、左右の木々の隙間から何かが出てくる様な気配に心臓がバクバクです。仕舞いにはホント幻覚っぽいモノが見え始めてきます。木の陰から人が出てきては消えていく。。。遠くに街が見えるような気がして(山の中でなにも見えないはずなのに)、しかも何故か、にほんごで防災無線放送っぽいのが聞こえて来たり。。。眠気と、疲れと、恐怖からいろんな妄想が現実化して視覚、聴覚にちょっかい出されているような気がします。怖くて速く脱出したいのだが、脚は遅々としてまわらず、恐怖と眠気を感じながら、何とか天辺にたどり着いて、降り道に入っていきます。

 安心して下りに入ったら今度は幻覚幻聴は無くなったけど、強烈な眠気・・・。登りの時は眠いけどペダル廻していたので寝たりはしませんでしたが、下りでペダル止めると突然睡魔。。。これはやばいと思い、脚は痛いけど、眠気覚ましに成るから、ここは敢えて飛ばそうと思います。前にまばらに見える前走者のテールランプ。これをターゲットにして、全速走行開始です。痛みと風を切る爽快感で少し目も覚めてきて、ひたすらペダル漕いで、前走者に追いつき、そしてその更に前にテールランプが見えるなら、追い越して次のテールランプ求めてひた走ります。少し脳内麻薬も出てきたのか、痛みも忘れて、遮二無二こぎ続けます。

 相当速いペースで後半の下り区間を乗り切って、最終のPC13DREUXドルーに4:48に到着しました。距離は1165km地点です。ここでは何をしたのか全く覚えていません。。。しかもこのときにツィート見たら、「残り65kmだっけ?もう思考力が有りません。簡単な計算が出来ません」なんてつぶやいている。正直、残り時間と計算してどのくらいのペースで走れば安心かも考えれず、直ぐに出発したような気がします。

 で、結局、気が付いたら、周りが畑の一本道。左右は草が生い茂り、その先はずっと畑な担当な道。下り区間もも終わって平地に到達したようです。ここで、遂に脳内麻薬チャージも終了。痛みも復活と共に矛盾してますが、脚は痛いのに眠気も凄く出てきます。

 気が付いたら道ばたの草むらに倒れ込んで寝てました。どのくらい落ちてたかは分かりませんが、数分は意識失っていたみたい。立ち上がって、しばらく、gaapに跨ったまま小休止。気が付いたら立ったまま、フロントバッグに顔埋めてマイクロスリープ・・・。起きて、漕ぎ出すも、へろへろ。また、降りて、草むらに横になって仮眠。気が付いたら5:30頃、この辺りが眠さMAXでピークでした。しばらく動けず進んでは立ち止まり、休憩、また進を繰り返し、でも時間と距離は確実に立っており、気が付いたら周りが明るく成ってきて、PBP4回目の朝を迎えます。日が昇るに連れて身体は正直に目覚めてきます。

 兎に角進むしかない。もう頭は何も考えれず、ペダル漕ぐだけの意志が有るだけでした。標識見て、あっちがパリだ、漕げ漕げ漕げって感じでした。

 と、その時、後ろから「スポックさん!」との呼び声が。振り向くとなんとMATTさん。。。しばらく思考回路が停止して最初は幻覚かと思うぐらいでした。ルデアックでホテル譲ってくれて、帰路を早々に目指しているはずで、後ろから来るのはおかしいと考えるぐらいの思考回路は残っていたみたいです。
 でも夢でも幻でもなくMATTさんです。もう、このときの嬉しかったコト。まわりにブルベライダーは居ましたが、この状況で知り合いに会えるなんて。。。

 MATTさんは、ルデアックで別れた後、仮眠等を取りながらここまで来たそうです。一個前のPCで待ってくれてたらしいのですが、僕が意識朦朧ツィートだけして、早々に出たのをTwitterで見て、先行ったと思い、追っかけて来てくれたそうです。ここから先、ふらふらな僕の後ろの付いて励ましてくれながら同行してくれます。12946333_1317519612_205large.jpg【写真提供:MATTさん】合流した頃かな。朝日です。12946333_1317519551_128large.jpg【写真提供:MATTさん】登りで痛みに耐えて首傾げている。12946333_1317519549_250large.jpg【写真提供:MATTさん】
12946333_1317519605_179large.jpg【写真提供:MATTさん】右足アキレス腱の痛みはこの頃酷くて、ペダリングが足の甲を垂直に立てる形に固定して漕ぐと言った訳わからん事に成ってました。写真をじっくり見ると右足のペダリング角度がやはりおかしい。右アキレス腱をかばって変な漕ぎ方してますね。この最後の写真がペダル下死点なのに脚の甲が立ってるので分かります。。。

でも、人と喋りながら走れるのは良いですね。気が紛れて、残り距離がきついながらもどんどん減っていきます。気が付くと畑ばかりの所から抜け出して少し建物が増えてきます。こうなると人間、現金なモノで、どんどん元気になってきます。もうすぐだ、もうすぐだと思いながら、道中の思い出を二人で語り出しながら、市街地に。途中橋の工事で渋滞して出鼻挫かれましたが、もう完全に市街地。嬉しくて嬉しくて笑顔に成ってしまいます。そして、遂に、ゴール地点に。たくさんの人がゴール地点にいて、笑顔で、拍手で、歓声で出迎えてくれます。涙こそ出ませんでしたが、嬉しくて嬉しくて、あ、もう、ゴールなんだ。1230kmをgaapで走りきることが出来たんだ!もう、何も言葉が出ませんでした。

そのまま、ゴールをくぐり抜けて体育館へ。最後の手続きです。ブルベカードを提出して、遂に長きに渡るPBPが終了しました。最終ゴールタイム9:31。87時間30分に渡る長きブルベを完走しました。

いろんな人たちに応援して貰い、助けて貰い、沿道での私設エイドに、PCでのたくさんのボランティア、そして、実際に助けてくれたメカニックさん達、なによりも励ましをくれた沿道の子供達。また、日本でも多くの方がネットを通じて応援してくれました。いろんな手配をしてくれたAJの方々に、また、一緒に走ってくれたブルベライダーの皆さん(特にinainaさんに、MATTさん)。なんて言ったら良いのか分かりませんが、感謝の気持ちで一杯です。
そして、完走を信じて待ってくれていた奥様に、小桜。こんなわがままな旅行に付き合ってくれて有難う。

と言うことで僕のPBPはこれで完走となりました。長い文章にお付き合い頂き有難う御座いました。

後は帰国するまで、帰宅するまでがブルベと言うことでエピローグを少し書いていこうとは思いますので、一応続くとしておきます。
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